歓喜の涙と悔しさの涙がグリーン上で交錯していた。国内女子ゴルフツアーの前週「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」(埼玉)の最終日(7日)、初優勝した阿部未悠(23)だけでなく、佐久間朱莉(21)も最後のパットを外した瞬間、その場に座り込んで1打差の涙…。それでも佐久間は「未悠ちゃんを笑顔で祝福したかった」と〝祝福のハグ〟では笑みを見せた。
けなげな姿が印象的だった佐久間もまた、初優勝を夢見ていた。地元埼玉での開催。自宅の川越から30分ほどの大会コース・石坂GCは「100回くらいは回っている」という〝庭〟だった。初日から首位を走って、最終日も1番(パー5)での2オンでイーグルなど、ボギーなしの66のラウンドと隙がなかった。
唯一の悔いは17番(パー5)、ティーショットがフェアウエーのバンカーにつかまりパーで終えたことか。優勝した阿部は14番から17番まで4連続バーディー。その17番で、54ホール勝負で52ホール守ってきた首位の座を明け渡した。
「いいゴルフをしたけど、勝てなかったのは今の自分の実力…」。2位とはいえ通算14アンダーは、2年前に優勝した上田桃子の9アンダーを上回るスコア。2021年のプロテストで岩井ツインズらを差し置きトップ合格した実力者は依然、「今季、最も優勝に近い選手」として評価されている。
中学3年だった17年、アマチュア選手として日本女子オープンに出場し、原英莉花と同組で回ったことをきっかけに〝ジャンボ〟尾崎将司プロに師事。門下生には原、笹生優花、西郷真央らがいるが、ジャンボ直々に「お前が一番、ゴルフがうまい」と言われたという。最高の誉め言葉をもらったが、今年1月のジャンボ77歳の誕生日会では、尾崎兄弟の建夫、直道の両プロからハッパをかけられた。
「うまくてもダメ。優勝争いで満足してちゃダメ。お前に足りないのは勝ちにこだわること。勝てたらいいなじゃなく、勝ちに行く気持ちだ」。涙を出し切った佐久間は改めて〝勝ちへのこだわり〟を胸に刻んでいた。
「帝王」ニクラウスの言葉がある。「勝利の裏側には数え切れない敗退がある」。さらに「『失敗を恐れない』という姿勢では弱い。『必ず成功させるのだ』という強い意志を持て」。佐久間にはきっと響くだろう。 (産経新聞特別記者)
(出典:夕刊フジ)
けなげな姿が印象的だった佐久間もまた、初優勝を夢見ていた。地元埼玉での開催。自宅の川越から30分ほどの大会コース・石坂GCは「100回くらいは回っている」という〝庭〟だった。初日から首位を走って、最終日も1番(パー5)での2オンでイーグルなど、ボギーなしの66のラウンドと隙がなかった。
唯一の悔いは17番(パー5)、ティーショットがフェアウエーのバンカーにつかまりパーで終えたことか。優勝した阿部は14番から17番まで4連続バーディー。その17番で、54ホール勝負で52ホール守ってきた首位の座を明け渡した。
「いいゴルフをしたけど、勝てなかったのは今の自分の実力…」。2位とはいえ通算14アンダーは、2年前に優勝した上田桃子の9アンダーを上回るスコア。2021年のプロテストで岩井ツインズらを差し置きトップ合格した実力者は依然、「今季、最も優勝に近い選手」として評価されている。
中学3年だった17年、アマチュア選手として日本女子オープンに出場し、原英莉花と同組で回ったことをきっかけに〝ジャンボ〟尾崎将司プロに師事。門下生には原、笹生優花、西郷真央らがいるが、ジャンボ直々に「お前が一番、ゴルフがうまい」と言われたという。最高の誉め言葉をもらったが、今年1月のジャンボ77歳の誕生日会では、尾崎兄弟の建夫、直道の両プロからハッパをかけられた。
「うまくてもダメ。優勝争いで満足してちゃダメ。お前に足りないのは勝ちにこだわること。勝てたらいいなじゃなく、勝ちに行く気持ちだ」。涙を出し切った佐久間は改めて〝勝ちへのこだわり〟を胸に刻んでいた。
「帝王」ニクラウスの言葉がある。「勝利の裏側には数え切れない敗退がある」。さらに「『失敗を恐れない』という姿勢では弱い。『必ず成功させるのだ』という強い意志を持て」。佐久間にはきっと響くだろう。 (産経新聞特別記者)
(出典:夕刊フジ)
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